国際スキー連盟(FIS)とイタリアスキー連盟がぶつかった。
先日スイスのチューリッヒで行われた会議でイタリアスキー連盟は急遽2008−2009ワールドカップスキースケジュールの変更を申し出た。変更要求箇所は以下の通りである。
1.イタリアボルミオからフランスとイタリアの国境にあるヴァッレ・ダオスタ州ラ・トゥイーレスキー場へ移すこと
2.スラロームをアルタバディアからセストリエールへの変更を要求した。
通常ワールドカップのスケジュールは2年前にほぼ決まっており、最終確認を毎年行われる5月のFIS会議にて正式決定するのがパターンである。だが、ラ・トゥイーレスキー場に関しては過去にヨーロッパカップやFISレースの経験が無く、ナショナルジュニアレースのみの開催となっている。また観客数が25000人だったアルタバディアから1000人程度のセストリエールになぜ動かすのか国際スキー連盟は疑問を持っている。
アルタバディアに関して言えば昨年100万ドル(約1億円)をかけ改修費を支払ったのになぜワールドカップ開催を拒むのか謎に包まれている。アルタバディアは2006−2007シーズンから回転と大回転がプログラムされた場所でもあり、2007−2008シーズンも12月に男子回転と男子大回転が組み込まれている。
スケジュールが突然乱れるということは、他の開催国もスケジュールが乱されるということになる。この件に関してすでにドイツとスウェーデンがイタリアスキー連盟に説明を求めているが、提案書を作成したW杯委員会のイタリア代表であるLuciano Zanier氏は今だ説明すらしていない状況である。
「ワールドカップスキー」というスポーツはスキー場の知名度を上げるという戦略とお金を残すため毎年同じ場所で開催するという戦略がある。そのため、毎年スイス・ウェンゲンやオーストリア・キッツビューエルなどのクラシックレースを長い年月をかけ作り上げ、1つ1つ積み重ねてスキー場自体のブランド化に貢献してきた実績がある。そのため「1レースのみでは大会は失敗する」とスイスの組織委員長であるViktor Gertsch氏もコメントしている。
だがW杯委員会は変更した提案書を提出した。現時点ではこの提案書にはボルミオはいったん「保留」という状況でスケジュールに残されている。
果たしてラ・トゥイーレがW杯スケジュールに追加されるのか。世界各国からの反発があるイタリア。そしてなぜこの時期に変更案を考え、W杯委員会イタリア代表のLuciano Zanier氏が黙っているのか。世界のメディアは「疑惑」と表現しているが、その真相は謎のままである。


